第155章 君は僕の女

それに、高いのは手術費だけじゃない。執刀医への報酬も、桁が違う。

いま全国の脳腫瘍患者が、その執刀医の居場所を探し回っている。手ぶらで頼み込んだところで、来てくれるはずがなかった。

橘結衣は、先回りして手を打たざるを得ない。

橘家の人間を知っている。橘国政に「おばあちゃんの手術代を出して」と頭を下げたところで、十中八九、金は出ない。

だから結衣は決めた。手元の腕輪と翡翠の腕輪を、目利きに頼んで現金化する。持っていたところで身につけられるわけでもない。

二宮爺さんは「これは家に伝わるものだ」と言っていたが、結衣は信じなかった。代々受け継いできたものなら、そう簡単に他人へ渡すはずがない...

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